「お、来た来た」
「来ましたよ」
「じゃ、これね」
「はーい」


次の休み時間、先生に言われた通り準備室まで足を進めると、そこには大量の冊子と、ダンボール。
私は一つのダンボールに冊子を乗せて、そのまま持ち上げた。


「よっ…あっ、想像以上に重い…」


なんて、独り言をこぼしてしまうほど。
ちらり、と先生を見ると二つのダンボールを持ち上げていた。


「先生腰やらないでくださいね」
「何言ってんの、先生まだまだ若いから」
「えー?ほんとですかー?」
「何でそこ疑われんだよ」


ははは、と笑う先生。
この笑顔、今私しか見ていないんだ。
とか思うと、つい私も嬉しくなって、へへっ、と笑ってしまう。


「はいはい、行くぞ」


と言いながら前を歩く先生を冊子を落とさないよう、慎重になりながらも急いで小走りで追いかけた。


「っていうか、なんでこんな重いのに二人だけなんですか」


いや、本当は二人なのが一番嬉しくて、ここに来るまでもルンルンだったのだけれど。
寧ろ、誰もいないと思って階段をジャンプしたら、ばっちり先輩と出くわしたけれど。


「んー?なんとかなるかなって」
「えー、しかもなんで私?」


ここで、そこにいたから、なんて答えが返ってきたら傷つくのは私なのに。
怖いものみたさというものか。
いや、それとは少し違うかもしれないが、今はそんなことは重要じゃない。
でも、明らかに私にとってマイナスになる可能性の方が高いのに、それを知ろうとしてしまうのは確かである。