デート当日。


駅で待ち合わせして、科学館の近くのイタリアンへ。


パスタを食べながらお互いの仕事の近況報告をした。


相変わらず彼は忙しいらしい。



腹ごしらえを終え、科学館へ向かった。


彼が時間指定のチケットを取っておいてくれたから

スムーズに入館することができた。



「よし、地下から攻めるか上から攻めるか」


「下でしょ」


彼が下からというので下から見て回ることにした。



地下は本当に科学の世界についてで、

高校で生物しか習わなかったわたしには未知の世界だった。



1つ1つの展示を説明と共にしっかり読むわたしと、

展示を見て懐かしいと言わんばかりの反応をする彼。



展示の説明が難しくよく分からずにいると、


「これは1mをこの長さですって決めたやつだよ」


「これは凄い勢いで粒子をぶつけて

より細かい粒子を見るために使われるんだよ」


など横から分かりやすく説明してくれた。



彼は根っからの理系だから

ここにあるものは大抵みたら分かるらしい。


それが尊敬できて魅力的で頼もしかった。



普通なら「何それ、つまんない」となるかもしれない。


でも高校から文系専攻で理系科目の勉強を

ほとんどしていないわたしにとってとても新鮮だった。