「ユーリは‥今、頑張ってます!!だから、そんな風に言わないで下さい!!」


「‥‥ひなこちゃん‥」


「この前‥『絶対 目覚める、元気になる』って、そう言ってくれたじゃないですか!?」


言いながら涙がこぼれた。


我慢出来なかった。


いつも穏やかな崇さん。

その崇さんが、こんなに弱い姿を見せるなんて‥‥


「‥‥あたし‥、あたしに、こんな事言う資格無いの分かってます。でも‥」


ユーリは元気になると、信じたかった。

絶対元気になる。

また、あの笑顔を見せてくれる。

きっと‥‥絶対に‥!!



「ユーリは、皆を悲しませたままにしておくようなヤツじゃない‥‥そうですよね!?」

「‥‥」


あたしを見つめる崇さんの瞳が涙で潤んでいる。

その瞳を真っ直ぐ見つめて、あたしは無理矢理笑顔を作った。


「あたし、信じてます。ユーリは‥絶対元気になるって」


「‥‥あぁ‥そうだね」


少しの間の後、崇さんは呟くようにそう言った。


「ひなこちゃんの言う通りだ」


そして、あたしを眩しそうに見つめた崇さんは、躊躇いがちに口を開いた。


「手を‥」

「‥え?」

「手をつないで貰っても良い‥かな?」

「‥‥」