夢みたもの

━・・━・・━・・━

「あれ‥?今日は顔色良いね」


葵達と入れ違いにやって来た航平。

あたしの顔を見るなり、葵と同じような事を言って嬉しそうに笑った。


「何か良い事あった?」

「ぅうん‥うん」

「何だ、どっち?」


航平は小さく笑いながらコートを脱ぐと、マフラーと一緒にベットの上に置いた。



「外‥寒そうだね」


冷たい空気が流れた気がする。

コートを指差してそう言うと、航平はあたしの頬に指を伸ばした。


「冷たっ‥!?」

「‥でしょ?外寒いよ、曇ってるし雪でも降るんじゃないかな?」


悪戯っ子のように楽しそうに笑うと、航平は椅子に座わって、あたしの顔を覗き込んだ。


「‥‥な、なに?」


顔が近くてどぎまぎする。

航平の瞳の中に映る、妙に緊張している自分が余りにも滑稽だった。


「何なの?」


そう言って航平から視線を外そうとしたその時。

航平はニッコリ笑って、身を引いた。


「うん。ひなこが元気なの久しぶりだから‥何か嬉しくってさ」

「‥‥」

「目に焼き付けておこうかと思って」


ニコニコ笑う航平は本当に嬉しそうで‥‥

あたしは速まる鼓動を押さえようと、慌てて視線を逸らした。