夢みたもの

気まずくなって黙り込んだあたし。


その視界の中。

崇さんと美野里さんは顔を見合わせると、すぐにあたしに笑いかけた。


「だからこそ、よ」

「え?」


美野里さんの言葉の意味が分からなくて首をかしげると、崇さんがその後を繋いだ。


「こんな時だからこそ、明るい気持ちで居なくちゃ駄目なんだ」

「‥‥」

「勿論、悠里君の事は心配よ。でも、心配し過ぎて心が疲れちゃうのは良くないわ。だから‥‥ひなこちゃんの事も心配なのよ」


「ね?」と同意を求めた美野里さんに、崇さんが穏やかに笑って頷いた。


「美野里さんの言うとおりだよ」

「悠里君なら大丈夫!だから、‥‥そんな顔しないで?」


美野里さんはあたしの肩を抱き寄せると、その手に力を込める。


「大丈夫‥、大丈夫よ」

「‥‥」

「だって、こんなに皆が心配してるんだもの。その思いが通じない訳ないわ。そうでしょう?」


「‥‥はい」


美野里さんの言葉に涙が溢れる。

あたしは何度も頷き返した。