「どうしたの、大丈夫?」
「‥‥」
「ひなこ?」
ユーリの園長に向けるその目は、徐々に胡散臭いものを見るように険しくなった。
「帰りたくないって」
やがて、ユーリは園長に向かって口を開いた。
「ひなこは今、僕の家で幸せなんだ。だから、もう施設になんて帰らないよ?」
「そうかな?」
「そうだよ!僕とずっと一緒に居るって、約束したんだから!!」
幼いあたしを背中に隠すように立つと、ユーリは繋いだ手に力を込める。
「絶対帰さない」
目を細めてユーリを見ると、園長はやれやれと肩をすくめた。
その態度は、我儘な子供に対するもので、ユーリを軽くあしらおうとしているのは明らかだ。
園長は小さく笑うと、威圧的にユーリを見下ろして言った。
「じゃぁ、どうしてひなこは黙ってるのかな?」
「‥‥?」
「君の言う通りなら‥、ひなこは私にそう言うんじゃないかい?」
「‥‥」
「ひなこはいい子だからね。君に遠慮して、本当の事が言えないんじゃないかな?」
「違うよ!」
「でも、ひなこはさっきから‥‥何も言わないじゃないか」
「‥‥」
「ひなこ?」
ユーリが狼狽えた表情を向ける。
それでも‥
それでも、幼いあたしは動けなかった。
施設になんて帰りたくない。
でも、ここで本当の事を言ったら‥‥
ユーリが酷い目に遭うかもしれない。
どんな事をされるか分からない。
ユーリの背後から、じっと‥幼いあたしに向けられている園長の視線。
それは、背筋が凍りそうになる程怖かった。
「‥‥」
「ひなこ?」
ユーリの園長に向けるその目は、徐々に胡散臭いものを見るように険しくなった。
「帰りたくないって」
やがて、ユーリは園長に向かって口を開いた。
「ひなこは今、僕の家で幸せなんだ。だから、もう施設になんて帰らないよ?」
「そうかな?」
「そうだよ!僕とずっと一緒に居るって、約束したんだから!!」
幼いあたしを背中に隠すように立つと、ユーリは繋いだ手に力を込める。
「絶対帰さない」
目を細めてユーリを見ると、園長はやれやれと肩をすくめた。
その態度は、我儘な子供に対するもので、ユーリを軽くあしらおうとしているのは明らかだ。
園長は小さく笑うと、威圧的にユーリを見下ろして言った。
「じゃぁ、どうしてひなこは黙ってるのかな?」
「‥‥?」
「君の言う通りなら‥、ひなこは私にそう言うんじゃないかい?」
「‥‥」
「ひなこはいい子だからね。君に遠慮して、本当の事が言えないんじゃないかな?」
「違うよ!」
「でも、ひなこはさっきから‥‥何も言わないじゃないか」
「‥‥」
「ひなこ?」
ユーリが狼狽えた表情を向ける。
それでも‥
それでも、幼いあたしは動けなかった。
施設になんて帰りたくない。
でも、ここで本当の事を言ったら‥‥
ユーリが酷い目に遭うかもしれない。
どんな事をされるか分からない。
ユーリの背後から、じっと‥幼いあたしに向けられている園長の視線。
それは、背筋が凍りそうになる程怖かった。

