夢みたもの

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それから一週間後の放課後。

なんの前触れも無く、葵はあたしの前に現れた。


校門の前に横付けされた黒い高級車。

まるで、通りかかるのを待っていたかのように、あたしの目の前で後部座席のドアが開いた。


「こんにちは」


中から出てきたのは、制服を着た、晴れ晴れとした表情の葵。


「一之瀬さん・・・」


呆然とするあたしに、葵は嬉しそうにニッコリ笑った。


「ちょっとバタバタしてて・・・戻ってくるの、すっかり遅くなっちゃった」

「・・・・・」


驚いて言葉が出てこなかった。


目の前に葵が居る事が信じられないのに、その葵があたしに話しかけているなんて、もっと信じられない。

そんなあたしに、葵は再び笑いかける。


「明日からはちゃんと登校するわ。でもその前に、雪村さんに会いたくて。今日はあなたに会いにきたの」

「なんで・・?」


葵は小さく首をかしげた。


「手紙、くれたでしょ?」

「・・・あ!!」


あたしは顔が熱くなるのを感じた。