夢みたもの

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「崇さんの事はさ、前にひなこに話したよぉ?」

「え?いつ?」

「ん〜‥結構前だなぁ‥」

「‥‥」


鞠子を入れて‥3人一緒のお昼。

それは凄く久しぶりだった。


「絶対話したって。鞠子、イケメン情報は全部ひなこに伝えてるもん」

「う〜ん‥‥あ!!」


お茶を飲みかけていたあたしは、思わず声を上げた。


「もしかして‥‥だいぶ前に『駅前のカフェで‥』って言ってた時?」

「そうそう!!なぁんだ、ちゃんと覚えてるじゃん!?」


頬を赤くしてそう言った鞠子は、嬉しそうにあたしと葵に視線を送ってくる。


「本当‥ちょっとは大人しくなったかと思ったけど‥‥全然変わってないわね」

「何言ってるの、葵ちゃん!?鞠子‥ちょっとの間に大人になったと思わない?」

「どの辺り?」

「こぉ‥大人の色気っていうかぁ‥」

「‥‥色気‥?」

「大人の男性に恋してる鞠子‥‥ちょっと色っぽくない?」


嬉しそうに身を乗り出した鞠子の額をピシャリと叩くと、葵はため息を吐きながら頬杖をついた。


「以前にも増して‥おバカになってるわよ」

「酷〜い‥!!」


口ではそう言いながらも、2人は嬉しそうで‥‥

あたしも自然と笑顔になった。


こんな毎日が続く事。

それは、あたしにとって凄く重要で、幸せに感じる瞬間だった。