夢みたもの

「‥‥な、何で‥!?」


あたしは航平を見上げて、呆然と呟いた。


どうして航平がここに居るんだろう‥?

どうして、

あたしがここに来るって分かったんだろう‥‥



「どうしても、ひなこと話がしたくてさ‥‥」


航平はそう言って肩をすくめた。


いつものように笑う航平。

それは、あたしを安心させると同時に、戸惑いを感じさせた。


航平が何を話すのか分からなくて‥‥

この前の事を思い出したあたしは、航平を直視出来ずに視線をそらした。



「ひなこ」


そんなあたしに、航平は優しく声をかけてくれる。


「ごめんね、ひなこ」

「‥‥」

「でも、もう‥ひなこが嫌がる事はしないから安心して‥?」

「‥‥」

「ひなこに避けられるなんて‥、手の届かない処にひなこが居るなんて‥‥耐えられないんだ」


あたしの頭に手を置いて、航平は寂しそうに笑った。


「俺が側に居たら‥嫌?」

「‥‥それは‥」


『そんな事ない』

その言葉を言いかけたあたしは、グッと息を飲んだ。


航平が前と同じように側に居てくれたら‥‥

それは凄く嬉しい。


でも‥

でも‥‥、

心の何処かに引っ掛かるものがある。


頭に、寂しそうなユーリの姿が浮かんだ。