夢みたもの

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翌朝。

ユーリとの約束の為に早めに登校したあたしは、校舎内に足音を響かせながら音楽室へ向かった。


早朝の学校は、やっぱり特別な雰囲気がある。

それを心地良く感じながら、特別棟に足を踏み入れた時だった。



「‥‥きゃっ‥!!?」


突然、腕をつかまれた。


驚いて振り向く余裕すらなく、あたしはそのまま柱の影に引っ張り込まれる。



「‥‥!?」


‥‥誰!?


驚き過ぎて声を出す事も出来ない。

それ以前に、あたしは後ろから羽交い締めにされていて、口はしっかり手で押さえ込まれていた。


嫌だ‥怖い‥‥

‥‥一体誰!?


体が震えてくるのを感じた。


怖い、怖い、怖い‥‥

誰か‥助けて!!



そう心の中で叫びながら、目を閉じたその時。

慌てるあたしの耳元で、よく聞き慣れた声がした。



「‥し〜‥、声上げちゃ駄目だよ?」

「‥‥!?」


その声にハッとして目を開ける。

おそるおそる振り向こうとすると、口元を押さえていた手の力が弱まった。


「‥‥なっ‥」


相手を確認したあたしは、一気に緊張が解けて、魚みたいに口をパクパクさせた。


目の前に居たのは、いつものように優しく微笑む航平だったから。