夢みたもの

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「あ、ここで大丈夫です」


家の外灯が見えた時、あたしはそう言って立ち止まった。


「ありがとうございました」

「こっちこそ、余計な事を言って悪かったね」

「いいえ」


申し訳なさそうに頭を下げた崇さんに、あたしは苦笑して首を横に振った。


「色々心配かけてすみません‥‥でも、大丈夫ですから」

「うん、そうだね」


いつものように穏やかに笑った崇さんは、ふと思い出したように苦笑する。


「そういえば‥、悠里と何かあった?」

「‥えっ!?」


思わず声を上げると、崇さんは肩をすくめて笑った。


「何だか前より‥2人の雰囲気がぎこちないみたいだから‥‥」

「あ‥、それは‥」

「あぁ、別に聞かないよ?若い頃は色々あるしね。ただ‥僕には2人の存在がとても大切なんだ。それこそ、家族みたいにね」


「だから2人が兄妹みたいに仲良くしてくれたら嬉しい」そう付け加えると、崇さんは照れたように微笑んだ。



「まぁ、困った事があったら何でも相談するんだよ?」

「はい、ありがとうございます」


あたしがそう言って頷いた時だった。



「‥‥ひなこ?」


背後で門が開く音がした。