夢みたもの

「そう。もし‥ひなこちゃんが、今の家で居場所が無いとか‥寂しい思いをしているなら‥‥」

「‥‥」


崇さんはそう繰り返して少し寂しそうに微笑んだ後、思い切ったように言葉をつないだ。


「僕は、ひなこちゃんに新しい家族を作ってあげられるかもしれない」

「‥‥!?」



想像もしなかった言葉だった。



あたしの本当の親


ずっと‥、夢の中でしか存在しなかった人達が現実に存在する。

その事だけでも、夢を見ているんじゃないかと思うぐらい実感が湧かない。



ずっと会いたかった。



‥‥でも、

会ってどうするんだろう‥‥?


感動のご対面?

そんな事ある筈ない。


どうして迎えに来なかったのか

今まで何をしていたのか‥‥


あたしの事を

どうして生んだのか‥‥


言いたい事はそれだけ。


恨んでいないと言えば嘘になる。

だって‥

だって‥‥もし約束を守ってくれていたら‥‥

あたしは違う人生を歩んでいた。


あたしにも

心から人を好きになれていたはず‥‥



「‥‥あたし‥」


あたしはゆっくり首を横に振った。