夢みたもの

「‥‥あたしの 事?」

「そう。ひなこちゃんが家に現れてから、悠里達がウィーンに発つ迄‥」

「‥‥」

「本棚の奥に大切にしまってあったよ」


「‥‥そう、ですか‥」



胸の奥が暖かくなった。


施設から逃げ出してきたあたしを救ってくれた、優しい人達。

あたしに家族の暖かさを教えてくれた人達。


余りにも幸せ過ぎて‥

その後の施設での生活が耐えられなくて‥‥

幼いあたしが、無意識に記憶を封印しようとしたぐらい、抱えきれない幸せを与えてくれた人達は‥‥

居なくなった今も、あたしに幸せを感じさせてくれる。



「嬉しいです」

「‥‥ん?」

「幼い頃‥ユーリの家で過ごした事は、あたしの宝物だから」


「‥‥そっか」


崇さんはそう呟くと、星が瞬く夜空を見上げた。



「日記にはね‥‥ひなこちゃんの親についても書かれてたんだ」


「‥‥え‥?」



さり気なく言った崇さんの言葉。




あたしはその言葉にくぎ付けになった。