夢みたもの

「‥さぁ、そろそろ悠里君を呼んで一息入れる?」


調理台に散らばったメモをまとめながら、美野里さんはそう言って笑った。


「ひなこちゃんの悩みは解決してないけど‥‥」

「あ、‥はい。でも、話を聞いて貰ったら、少しスッキリしました」

「うん。女って‥そういう処あるわよね」


美野里さんはウンウンと頷きながらそう言うと、カップを3つ調理台の上に並べた。


「それじゃ 悠里君を呼んでくるわ。ひなこちゃんはお茶を淹れておいてくれる?」

「はい」


いつの間にか勝手を知り尽くしたキッチン。

あたしがいつもの場所から紅茶の缶を取り出すのを見届けると、美野里さんはニッコリ笑ってホールに続く扉を開けた。


「‥‥おっと」

「‥‥?」


ふいに上がった美野里さんの声にあたしは振り返った。


「どうしたんですか?」

「‥あ、うぅん」


苦笑する美野里さんの後ろから顔を出したのは、さっき噂をした崇さん。


「久しぶり」


穏やかに微笑む崇さんの後ろで、頬を赤くした美野里さんが嬉しそうに言った。


「ひなこちゃん、お茶 追加ね」