夢みたもの

「良い展開?」

「そう」


首をかしげたあたしに、美野里さんは力強く頷き返す。


「‥‥え、でも‥何処が?」


とてもそうは思えなかった。

胸にスポンジが詰まったみたいに、息苦しいのにスカスカする。


‥‥何だか‥

何だか全てが中途半端だ。


航平の事も。

ユーリの事も。

自分の過去も‥

自分の気持ちさえ‥‥


何もかもが中途半端で、自分の進むべき方向が分からない。


「良い展開‥‥なんて、ちっとも思えないです」

「そうかなぁ?」


美野里さんはニコニコ笑って首をかしげた。


「その彼って‥、前に公園で話してくれた彼よね?」

「‥‥」

「あの時も、話を聞いていて思ったのよ。ひなこちゃんを変えられるのは、きっとその彼だろうな‥って」

「‥‥」

「ほら、今そこでモヤモヤしてる気持ち」


美野里さんはそう言って、あたしの胸元を指差した。


「その感覚が『恋』よ、ひなこちゃん?」


「‥‥え?」


あたしは、何度もまばたきをして美野里さんを見た。



‥‥恋?


誰が‥誰に‥‥?


美野里さんの言葉が、理解出来ないまま、頭の中で響きわたった。