夢みたもの

「私が聞いてるのはそこじゃないわ」

「‥‥え?」

「彼がどんな事情を抱えているか、私は知らない。過去 2人の間に何があったのかも知らないわ」


「でもね」と続けた葵は、あたしから視線を外すと、ユーリに真っ直ぐ向き直った。


「私は親友として‥、甘えた考えを持った人に、ひなこを任せる事は出来ないの」

「‥‥」

「ひなこは、頭にバカが付くお人好しよ?貴方が困っていれば、助けたいって本心から思うと思うわ。でも、それに甘えるのは許せない」

「‥‥葵‥」

「この子が無理をしないように支えてあげられる人じゃなくちゃ、私は親友として認めない」

「‥‥」

「貴方にそれが出来る?」


葵はユーリを真っ直ぐ見つめた。


「私には、貴方がひなこに甘えてるとしか思えないの」

「違うよ!!」


勢いよく出た声は、思ったよりも廊下に響き渡った。

そんな事ない。

私はそんなに立派な人間じゃない。


辛い事がある度、航平やユーリに支えられてきた。

いつの間にか‥‥

守られるのが当たり前だと思っていた。


あたしは、そんなズルイ考えを持っている卑怯者。