夢みたもの

ずっと‥

心の何処かで、葵は味方だと思っていた。


ユーリとの噂が流れても、変わらずあたしと一緒に居てくれたから。

きっと、あたしの気持ちを理解してくれていると思っていた。


でも、今目の前に居る葵を見る限り、その考えは間違っていたとしか思えない。


「叶君は、何の為にひなこと一緒に居るの?」


葵は切れ長の目を鋭くして言った。

美人な葵がそんな表情をすると、行動以上の効果がある。

一瞬、その場に冷ややかな雰囲気が生まれて、あたしは肩を震わせた。


その事に気付いているのかいないのか‥‥、葵はため息混じりに肩をすくめた。


「自分の為?寂しいとか‥辛いとか‥そういう感情を紛らわす為に、ひなこと一緒に居るの?」

「葵!?‥言い過ぎだよ!!」


あたしは慌ててそう言った。


『ユーリの力になりたい』

そう思ったのはあたし。

今の状況が辛くて、ユーリに甘えているのも、あたし。


「ユーリは悪くないよ」

「そうかしら?」

「あたしが自分で‥ユーリの側に居たいって思ったんだもん。ユーリは全然悪くないの」

「‥‥そう」


葵はそう呟くと、小さなため息を吐いた。