夢みたもの

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突然聞こえた声。


あたしは肩を震わせて立ち止まった。



「何してるの?」


冷ややかな声だった。

いつもみたいに、からかい半分‥状況を楽しむような雰囲気は全く無い。


あたしはおそるおそる声の主に顔を向けた。



「‥‥葵‥」


「ずいぶん早い登校ね、ひなこ?」


眉根を寄せて、明らかに不機嫌そうな葵がそこに立っていた。



「こんな時間に、こんな場所で‥‥まさか ひなこに会えるなんてね」


葵はそう言うと、あたしの横に並んだユーリに視線を移した。


「しかも‥‥珍しい組合せだこと」


「これは偶然で‥‥」


慌ててそう言ったけれど、葵の表情は和らがない。

逆に、さっきより眉根を寄せてユーリを見つめた。


「‥ねぇ、不注意にも程があると思わない?」


普段から男子には厳しい葵。

でも、今、目の前に居る葵は、今までに見た事がないぐらいの厳しい目をユーリに向けていた。


「‥‥ごめん」


あたしが慌てて謝ると、葵はあたしをチラリと見て、器用に片方の眉を上げる。


「まったく‥‥呆れるわ」


そう言ってため息を吐いた。