夢みたもの

長い沈黙の後。


『ごめん 言い過ぎた』


ユーリはすまなそうにノートを差し出した。


『ひなこに そんな顔をさせたかったんじゃない』

「‥‥」

『傷つけたかったわけじゃないんだ』


ユーリはそう言うと、あたしの頭を撫でて苦笑した。


『気にしないで』


「‥‥うん‥」


あたしは小さく頷いた。

そう答える事が、今の状況を丸く収める一番の方法だと思ったから。



あたしは‥ユーリの為に何が出来るんだろう?

何度も何度も‥、その疑問が頭の中で浮かんでは消える。


ユーリの支えになりたいと思った。

声を取り戻して、心から笑って欲しい。

例え辛い治療でも‥‥

あたしが一緒に‥ユーリを支えてみせる。



そう思ったのに‥‥


あたしに出来るのは、ただ側に居るだけ‥?

本当にそれしかないの?


虚しい気持ちで一杯になる。


あたしは唇を引き結んで口を閉ざした。