大体月2回。

あたしは、葵に連れられて茶道部に顔を出している。


生徒会活動の傍らで、葵が趣味程度に教えている茶道部。

その割りに部員が多い。

それはやっぱり、葵の人柄ゆえだとは思うのだけど・・・


茶道をしている時の葵は、凛としていて普段の2割増し美しい代わりに、3割増しは怖い。

鋭く目を光らせて注意する様子は、はたから見ていてハラハラする。


「客役は部員が交代でやってるじゃない?」

「だって、ひなこ暇でしょ?」

「そうだけど・・・」

「それじゃ決まり!という訳だから、堤君?今日はひなこの送迎は結構よ?部活が終わったら、うちの車で送らせるから」

「えぇ!?送ってくれなくていいよ!歩いて帰れるし」


あたしは慌てて首を振った。


前に一度だけ、うっかり乗ってしまった葵の家の車は凄い高級車。

乗り心地は最高なのに、全然落ち着かなかった。


「ひなこ、じゃ、今日は茶道部?」


首をかしげた航平に、あたしは苦笑を返す。


「そうみたい」

「じゃぁ、今日もいつもの時間に」

「うん。分かった」



20時の約束。

あたしが笑って頷くと、航平はニッコリ笑って教室に戻って行った。