夢みたもの

「それじゃ、アメリカから帰ってきて小学校へ通ったんですか?」


あたしが航平と出会った時、航平は小学校に通っていた。

大学で学べる程頭が良いのに小学校に通うなんて‥‥

授業が簡単過ぎて、求める事を学べなくて‥、それは凄く辛い事に思えた。


「‥‥実はね、ひなこちゃんに出会うまで、航平は不登校児だったの」

「‥え!?」


驚いて声を上げると、おばさんは小さく笑って頷いた。


「ご想像通り。小学校の授業は、航平には馬鹿馬鹿しいぐらい簡単で、望むものは何一つ得られなかった‥‥それに‥」


一瞬、おばさんは口を噤んだ。

そして、あたしが見ている事に気付くと、一息吐いて小さく苦笑する。


「それに‥ね、航平には、同い年の友達を作る事が出来なかったの」

「‥え?‥でも‥」


「アメリカでの事を教訓に、私達は航平に、普通の7歳の子供として‥‥幸せに成長して欲しかったの。辛い思いはこれ以上させたくなかった」

「‥‥」

「でも‥それは、航平にとってアメリカに居る時以上に苦痛だった」

「‥‥?」


あたしは首をかしげておばさんを見つめた。