夢みたもの

「・・・自殺・・・?」

「元々精神的に強い子じゃなかったけど・・・、姉夫婦を亡くした事で心のバランスを失ってしまった。その頃には僕も一緒に住んでいたけれど・・・見るに堪えなくて辛かったよ」

「そんな・・・」


あたしは崇さんを見つめたまま、身動き出来なかった。



その事実は、あたしの許容範囲を超えていて・・・

あたしの心を支配したのは、可哀想とか、悲しいとかいうより、『怖い』という恐怖の感情だった。



予想が当たった。


大人でも辛いと思う状況で、ユーリは何を感じ、何を思っていたんだろう・・・・


当時、今のあたしとそう変わらない歳だったユーリ。

あたしが当事者だったら、一体何が出来ただろう?


そう思うと、悲しくて、切なくて・・・

怖くて堪らなかった。



「あの頃の悠里は、学校に通いながら杏奈を支えて・・・杏奈を中心とした生活を送ってた。杏奈の精神状態に左右されるから、学校も休みがちだったけど、愚痴一つ言わないで、姉夫婦が亡くなる前と変わらず、明るく振る舞ってた」


「それがまた痛々しくて・・・」


崇さんはそう呟くと、深いため息を吐いた。