夢みたもの

「亡くなった?」


あたしは呆然としたまま呟いた。


「倒れたって・・・そんなに具合が悪かったんですか?」



確かに、幼い頃、体が強いという印象は無かったけれど、同時に病弱だったという印象も無い。

ただ、いつもおばさんの裾影に隠れている、極度の人見知りで恥ずかしがり屋。

大人しいという印象しか残っていない。



「・・・亡くなったって・・・」


再び呟いたあたしに、崇さんは目を閉じて眉根を寄せた。

そして、何かを決意したようにため息を吐くと、顔を上げてあたしを見た。


「ひなこちゃん、君には知っておいて貰いたい。だから話すよ」

「・・・・」



嫌な予感がした。


大人が勿体ぶって話をする時は、凄く良い話か悪い話の時が多い。

そして、今この状況で・・・崇さんの口から良い話が聞けるとは、とても思えなかった。


「教えて下さい」


崇さんの視線を真直ぐ受け止めて、あたしは小さく息を飲んだ。



きっと、ユーリが変わってしまった原因はそこにある。

それを知らないでいる事は出来ない。



あたしの言葉に崇さんは小さく頷き返すと、重い口を開いた。



「杏奈は・・・自殺したんだ。悠里の目の前でね」