「杏奈がショックで倒れてしまって、僕や義兄の親族が駆け付けるまで、悠里はたった一人、警察の対応や葬儀の手配をしていた」
「自分だって辛い筈なのに、目を真っ赤にして立ち回っている姿は・・・・・見ていられなかったよ」
当時の事を思い出したのか、崇さんは辛そうに眉根を寄せた。
ちょうどその時。
ユーリの演奏が終わって、周りから拍手が沸き上がった。
驚いて周りを見回すと、さっきまで入り口に近い席に座っていた客が遠巻きにピアノを囲んでいる。
「悠里、アンコールだよ」
崇さんはユーリに笑いかけると、テーブルの上に置いてある楽譜の1枚を手に取った。
「これなんて良いんじゃないかな?」
手書きの楽譜は、紙自体が黄ばんでいて、それが古いものである事を示している。
無題の楽譜は、五線譜の上にただ音符と記号が並んでいるだけ。
あたしは崇さんから楽譜を受け取ると、ユーリの元に持って行った。
「はい」
小さく頷いてあたしから楽譜を受け取ったユーリは、一瞬眉をひそめたけれど、すぐに何もなかったように楽譜を譜面台に立てかけた。
「自分だって辛い筈なのに、目を真っ赤にして立ち回っている姿は・・・・・見ていられなかったよ」
当時の事を思い出したのか、崇さんは辛そうに眉根を寄せた。
ちょうどその時。
ユーリの演奏が終わって、周りから拍手が沸き上がった。
驚いて周りを見回すと、さっきまで入り口に近い席に座っていた客が遠巻きにピアノを囲んでいる。
「悠里、アンコールだよ」
崇さんはユーリに笑いかけると、テーブルの上に置いてある楽譜の1枚を手に取った。
「これなんて良いんじゃないかな?」
手書きの楽譜は、紙自体が黄ばんでいて、それが古いものである事を示している。
無題の楽譜は、五線譜の上にただ音符と記号が並んでいるだけ。
あたしは崇さんから楽譜を受け取ると、ユーリの元に持って行った。
「はい」
小さく頷いてあたしから楽譜を受け取ったユーリは、一瞬眉をひそめたけれど、すぐに何もなかったように楽譜を譜面台に立てかけた。

