特クラー特別クラスは、学年に1クラスだけ作られている特待生クラス。

芸術・運動関係に秀でた才能を持つ生徒だけが集められて、出席日数や授業内容が普通クラスよりかなり優遇されている。


そんな、同じ校内でもほとんど関わりを持たない特クラの編入生の為に、生徒会長が呼ばれるなんて、よっぽどの事なんだろう。


「芸能人とかが編入してくるんじゃない?だから、普通クラスの生徒が騒がないように・・・とか?」

「なるほど」


一応肯定してくれたけれど、航平は頬杖をついたまま、消化不良といった表情をする。


「でも、うちの学校にそんな凄い有名人が来るわけないよね?」


続けてあたしがそう言うと、航平は今度は吹き出すように笑った。


「確かに。まぁ、宮藤に聞けば分かるし、分かったらひなこにも教えてあげるよ?」


航平はそう言うと、何事も無かったように、英語のノートを開いて写し始めた。


「編入生かぁ・・・あたしには関係ないな」


そう呟きながら、あたしは窓から夜空を見上げる。


雲一つない夜空。

家の明かりで星はほとんど見えないけれど、夜空で瞬いているだろう無数の星を想像すると、心が落ち着く気がした。