━・・━・・━・・━・・━
━・・━・・━・・━
「カッコいいねぇ・・・」
昼休み。
いつものように弁当を広げた教室で、鞠子は絶えずその言葉を口にした。
「ホント、カッコ良すぎだよぉ・・・」
両頬を押えてため息をつく。
そばに居るこっちが暑苦しくなりそうな、感情のたっぷりこもったため息。
「うるさいわね」
葵が不愉快な顔をして食事を進める横で、ため息ばかり吐いている鞠子は、買ってきた菓子パンにほとんど手を付けていない。
「鞠子、お昼は?」
「今は胸一杯・・・」
鞠子が何度目か分からない言葉とため息を吐いた時。
葵が眉根を寄せて、不機嫌全開のため息を吐いた。
「いい加減にして、鞠子。こっちの食欲が失せるじゃない!?」
「だって・・・」
「『だって』何!?」
珍しく感情的に怒った葵。
その事に驚いたのか、鞠子はシュンとして肩を落とした。
「珍しいね?葵がこんなに不機嫌なの」
フォローのつもりでそう言うと、まだイライラが収まらない葵は、振り向きざまにあたしを軽く睨む。
「今朝の騒ぎのせいで、騒ぐ女子の対応と先生への報告で、そりゃぁ忙しかったわ。イライラも溜るわよ?」
「あ・・・」
つまり、原因はあたし、って事だ。
フォローどころか墓穴を掘った事に気付いたあたしは、鞠子と同じように肩を落として頭を下げた。
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「カッコいいねぇ・・・」
昼休み。
いつものように弁当を広げた教室で、鞠子は絶えずその言葉を口にした。
「ホント、カッコ良すぎだよぉ・・・」
両頬を押えてため息をつく。
そばに居るこっちが暑苦しくなりそうな、感情のたっぷりこもったため息。
「うるさいわね」
葵が不愉快な顔をして食事を進める横で、ため息ばかり吐いている鞠子は、買ってきた菓子パンにほとんど手を付けていない。
「鞠子、お昼は?」
「今は胸一杯・・・」
鞠子が何度目か分からない言葉とため息を吐いた時。
葵が眉根を寄せて、不機嫌全開のため息を吐いた。
「いい加減にして、鞠子。こっちの食欲が失せるじゃない!?」
「だって・・・」
「『だって』何!?」
珍しく感情的に怒った葵。
その事に驚いたのか、鞠子はシュンとして肩を落とした。
「珍しいね?葵がこんなに不機嫌なの」
フォローのつもりでそう言うと、まだイライラが収まらない葵は、振り向きざまにあたしを軽く睨む。
「今朝の騒ぎのせいで、騒ぐ女子の対応と先生への報告で、そりゃぁ忙しかったわ。イライラも溜るわよ?」
「あ・・・」
つまり、原因はあたし、って事だ。
フォローどころか墓穴を掘った事に気付いたあたしは、鞠子と同じように肩を落として頭を下げた。

