「ただし!」

碧子は出て行こうとする蘭に対し、声をかけた。

「一人ではアメリカに行かせられないわ。この中の誰かが保護者として一緒に行きます。そして、自分の命を軽んじるような行動はしないこと。いい?」

「……はい」

蘭が返事をした後、誰がアメリカに行くのかどうか碧子たちは話し合いを始める。蘭はエメラルドのブローチを握り締めながら、白い鳥が飛んでいる空を見上げた。

「必ず、助けます」

星夜がこの空の下で生きている。それだけで蘭の歩んでいく道に光が見えた気がした。