その身体は大きく、歩くだけで大地を揺らす。
その瞳は深く、見たものを焦がす。
その心は儚く、今にも大樹に持たれかかろうとしていた。
彼は空を見上げ、太陽を掴んだ。
人々はそれを見上げ、口を大きく開けた。
辺りは真っ暗になった。
青く見える空はもうなかった。
彼は太陽を掴んだまま、目を閉じた。
小さく呼吸をした。
人々は皆枯れてしまった。