明らかに無表情から、少しずつ感情とともに表情が変わるようになってきた。
「その可愛い顔していいの、俺の前だけ。」
「そういうこと?
仕事ではロボット人間だからポーカーフェイスよ。」
いつも麗華の仕事着姿ばかり見ていたし、メイクした顔しか見てなかったけど。
ダボッとした白のTシャツに短パンジャージの部屋着スタイルにすっぴんで髪も下ろしている麗華も素敵だ。
メイクしてる人って落としたら顔変わるっていう偏見を持っていた…いや、元カノがそうだったから麗華も変わると思ってた。
けど麗華はメイクを落としても変わらなくて。
むしろ髪を下ろしてると少し子供っぽいような、そんな印象を受けた。
「麗華の髪、サラサラだ…」
「お風呂上がりだからね。」
ーコンコン…
「はい?」
麗華が時間確認をした丁度その時に部屋の扉がノックされた。
「麗華?ご飯の用意できたけど…」
「はーい。」
「彼氏くんも、よければどうぞ?用意はしてあるから。」
「いいんですか?!ありがとうございます!」
…アポなしで押しかけた俺に優しい麗華とその家族。
扉を挟んでの会話が終わる。
「なら、下に行こうか。」
立ち上がった麗華に釣られて立ち上がる。
扉を開けようとした麗華に後ろから抱きつく。
「将斗くん?」
「んー、チャージ中。」
後ろから麗華の顔をこちらに向けてまたまたキス。
「…っ」
照れた麗華と満足した俺。
…いつもからは考えられないくらい表情変わるなあ…
「…もうっ、いくよっ」
扉を開けた麗華に腕を引かれて俺はリビングへ向かう。
「あ、来たね。」
麗華のお母さんが丁度ご飯を装っていた。
「あ、はじめまして!麗華さんとお付き合いさせていただいております!堀江将斗です!
順番がおかしくなってしまい申し訳ありません!」
よくよく考えたら来て一番最初に挨拶するものだ。
「ふふ、気にしてないよ。今日はお父さんがいないからそんな緊張しなくていいよ。」
ふわっと笑った麗華のお母さん。
麗華、母親似なんだな…
めっちゃ似てる。
「…じゃ、ここ座って。」
麗華が椅子を引いてくれた場所に座る。
麗華は料理をテーブルに並べるためにキッチンに向かう。
「あれ、お母さんサラダマヨネーズついてない。」
「あ、忘れてた。お願い…」
「了解。」
キッチンで麗華がため息を着きながらマヨネーズでサラダを和える。
ダイニングのテーブルに座っている俺は麗華の妹さんを見る。
妹さんも俺を見ていて、目が合ってしまった。
「…どうも、妹の流華です。」
流華ちゃんか…