ふつう。
ふつうってなによ。
ふつうじゃないって、なによ!
「あたしはふつうの女だよ! ふつうに恥かきたくないし! ふつうにやきもちだって妬く! な…んだと思ってたのよっ。あたしのこと……なんだと思ってたのよ!」
麦ガ、アタシヲ、見テテ、クレタ?
「おまえだけはちがうと思ってたよ。おまえは…好きだって! 好きなものは好きだって! ちゃんとわかってるやつだと思ってた! 顔中に好きだって書いて! どんどんひとの心のなかに食いこんでいくんだと思ってた!」
「…………」
だったら……。
だったら、わかるでしょ。
あなたを好きだって!
わかってるでしょ?
「結局、つまんないやつだったんだ、おまえも。…おまえのプライドなんか、くだらないよ! おまえの心配なんかして、時間のむだだったぜ」
「…………」
もう止まらなかった。
涙も言葉も。
心も。
「き…みなんか、だいっきらい。だいっきら…い。だ…いっきら……」
好きなのよぅ。
麦がどんどん背中を向けて遠くなる今ごろわかったって。
きらいだって言われた、今ごろわかったって……。
もう遅いのに。
ふつうってなによ。
ふつうじゃないって、なによ!
「あたしはふつうの女だよ! ふつうに恥かきたくないし! ふつうにやきもちだって妬く! な…んだと思ってたのよっ。あたしのこと……なんだと思ってたのよ!」
麦ガ、アタシヲ、見テテ、クレタ?
「おまえだけはちがうと思ってたよ。おまえは…好きだって! 好きなものは好きだって! ちゃんとわかってるやつだと思ってた! 顔中に好きだって書いて! どんどんひとの心のなかに食いこんでいくんだと思ってた!」
「…………」
だったら……。
だったら、わかるでしょ。
あなたを好きだって!
わかってるでしょ?
「結局、つまんないやつだったんだ、おまえも。…おまえのプライドなんか、くだらないよ! おまえの心配なんかして、時間のむだだったぜ」
「…………」
もう止まらなかった。
涙も言葉も。
心も。
「き…みなんか、だいっきらい。だいっきら…い。だ…いっきら……」
好きなのよぅ。
麦がどんどん背中を向けて遠くなる今ごろわかったって。
きらいだって言われた、今ごろわかったって……。
もう遅いのに。



