片思いー終わる日はじめる日ー

 駅までの道を黙って並んで歩いた。
 ショーウインドウに映るあたしたちは、お供のネギまで、右・左、右・左。
「……あっ!」
 突然立ち止まったあたしの横を、(ばく)は2歩進んで振り返った。
「あわせて、くれてる…の? もしかし…て」
 右・左、右・左。
 いつまでもずれない、大きい靴と小さい靴のダンスの秘密。
「あたし…に、あわせて、くれてん…だ」
 麦の頭はだんだんうつむいて。
 肩だけがふるふる揺れて……。
 笑ってる!
「おまえって……!」
 や…だ。
 またそこで終わり?
「なによ。ちゃんと言いなさい!」
 麦はショーウインドウに映るあたしに首を振る。
「言わないと、()っ飛ばすよ」
「言ったら、それじゃすまないもん」
 なっ…。
「…によ。言ってごらん! 怒んないからっ」
「ほんとかなぁ……。うそついたら、どうする?」
 どうするって。
 そんな。
 おもしろそうにひとの顔を見るなっ。
「絶対逃げないって、誓えよ。おれたち、何カ月もムダにしてるんだ。もうおれ、イヤだからな……」
 めずらしい。
 ネギに向かってしゃべるやつ。
 でも、
「いいな。ぜ一ったい、怒んないって言ったんだから、な」
 …って言った麦は、もうすっかり、おもしろそう。
 これはだめだ。
 まずいパターン。