片思いー終わる日はじめる日ー

ジングルベール
ジングルベール

 またたくツリーの電飾が大きくなったり、小さくなったり。
「…ただ、はっきりしときたかったんだ。おれは、わがままだからさ。…また、おまえを困らせる前に……」
 全部の光が大きいしゃぼんのように、まぶしくふくらんだとき、ぱたっと落ちた。
 涙が。
 麦の字の上に。
「な…んだよ、なんで泣くんだよ」
 ぱたっ。
 ぱたっ。
 なんでだろ。あたしにもわかんない。
 涙でにじんだOの字が、海に浮かんだ浮き輪みたいだ。
「やめろっ…たら」
 (ばく)がママさんに見とがめられて、おろおろ立ち上がったとき、ハンカチを探していたあたしの指はポケットのなかのカードと握手。
 取り出したのは、切手を貼って、一所懸命に麦の名前を書いた緑色の封筒。
 それを膝の上にていねいに置いて。
 がさごそとリュックから取り出したのはボールペン。
 なんでこんな、ちっともかわいくない、黒のペンしか持ってないんだ、あたし!
 悲しいけどしかたない。
 麦が見ているから震える指で封筒を裏返して。
 すみに書いた自分の名前の下に――…
 T。O。O。