片思いー終わる日はじめる日ー

「…つけあがれよ。おまえのこと、ずっと待ってたんだ。駅で」
 座ったのは、めまいがしちゃったからで。
「あのでっかいひと、和田さんだっけ? あのひとたち来るのに、おまえ、来ないんだもん。あきらめてもう帰ろうかと思って、これっ」
 ガサッと重たげなエコバッグ。

 ジングルベール 
 ジングルベール

 ワンフレーズ黙ってから、(ばく)はポケットをごそごそさぐって、取り出したものを、あたしにくれた。
 海の色みたいな深いブルーの封筒。
「あけてみな」
「うん……」
 もしかして、もしかして……、これって……。
「あっ……!」

Merry Christmas
  and a
Happy New Year

「アザラシ…だ」
 裏には、バレーボールをちょこんと頭にのせたアザラシ。
「それ…、姉さんにばかうけ。ひとめでわかったって。おまえだって」
「…………」
 いつまでも、ずっと見ていたかった。
 (ばく)があたしにくれたものだから。
「だから、やんなっちゃうんだ、おまえって……。それは裏。ちゃんと見たのか、表」
 えっ?
 あわててさっきチラッと見た、メリークリスマスのほうを見る。
「あっ……!」
 きれいにレタリングされた文字のずっと下に、見慣れた麦の字が、青く、書いてた……。

I Love you.O.K.?

あい らぶ ゆぅ おぅけぃ?

「…別に、返事はいそがないよ。おまえってカメだから」