片思いー終わる日はじめる日ー

 参加するひと、この指とまれ。
 結果、1班全員。
 驚いた。

「おまえ、こんなとこにひとりで住んでんの?」
 石川の驚きは、わかる。
「学校まで歩いて10分ですねぇ、こりゃいいや」
 遠距離通学だっていう伊勢くんの気持ちも、わかる。
「エ、エ、エレベーター付きはいいよね」
 笑うとおなかがフルフル揺れるうっちゃまんの気持ちなんか、かなしいくらい、わかる。
「でも、しっかりしてるのね、赤根(あかね)くんて。こんなお部屋でひとり暮らしだなんて。わたしだったら、さみしくて毎日泣いちゃうわ」
 本当にね。
 どうして、大海ちゃんみたいな感想がでないの? 男子って。
「正子バー、じゃ、また明日。よろしくね」
「本当にようござんすか、お食事の仕度」
「うん。みんな、うちのひとが待ってるだろうし。それほど引き止めるつもりはないから」
「それじゃあ、失礼いたします」って、あたしたちと入れ替わりに通いのおばあちゃまが帰って。
 男どもが歓声をあげて部屋中を見物しているのに、大海ちゃんはソファーで、ずっと泣いている。

「本当におれは平気なんだって。ね、大海。そりゃ、みんなが帰っちゃったら、すごくさみしいかもしれないけど。…また明日、会えるんだから。いつも会えるんだから、さ」
 それはそれはやさしい声で、麦が大海ちゃんにささやいている間、あたしはひとりで思っていた。