伊勢くんは上着を腕に下げて、傷絆創膏を貼った肘をさすりながら、保健室から石川とふたりで帰ってきた。
「石川くん! 伊勢くん! ……赤根くんは?」
大海ちゃんが駆け寄っていく。
「部活に行きました」
麦……。
こんなときでも、中井のもとに行くんだね。
「ごめんね、伊勢くん」
いつも、もめごとを押しつけて。
「なんで有実が伊勢に謝るんだよ! …っててて。あいつ、なぐりかえしてくるんだもんなぁ……」
石川は当然だけど、伊勢くんよりひどい。
指にも目じりにも口元にも絆創膏。
「ごめんね、石川」
「だからなんでおまえが謝るんだって! ちぇっ…かっこ悪いぜ。1発余計にもらっちまったい」
「数えてたんですか? こりゃ驚いた」
「いつか、返す」
「石川っ」「石川くんたらっ」
「石川くん! 伊勢くん! ……赤根くんは?」
大海ちゃんが駆け寄っていく。
「部活に行きました」
麦……。
こんなときでも、中井のもとに行くんだね。
「ごめんね、伊勢くん」
いつも、もめごとを押しつけて。
「なんで有実が伊勢に謝るんだよ! …っててて。あいつ、なぐりかえしてくるんだもんなぁ……」
石川は当然だけど、伊勢くんよりひどい。
指にも目じりにも口元にも絆創膏。
「ごめんね、石川」
「だからなんでおまえが謝るんだって! ちぇっ…かっこ悪いぜ。1発余計にもらっちまったい」
「数えてたんですか? こりゃ驚いた」
「いつか、返す」
「石川っ」「石川くんたらっ」



