「前代未聞よねぇ、きっと。教師が授業中に、生徒にお茶をふるまうなんて」
「…ないしょ、ですか」
「あたりまえよ。いい、相田は保健室にいたの。ねっ」
中井があんまり真剣なので、あたしもおつきあい。
「でも。あたしが、お腹痛かった…とか言っても、だれも信じてくれなかったりして」
「むむ。それはありうる」
中井ぃ!
「あはははは」
笑いながらいただく緑茶がおいしい。
「ばばくさいとか思ってんでしょ? ――わたしは母が働いていて、おばあちゃん子だったからね」
お父さん…は?
思ったことは顔に出たらしい。
「ん? ああ、父はね、わたしが小学校にあがった年に女つくって、あばよってやつよ。よくある話」
「…………」
「仕事仕事で、全然うちにいないひとだったけど、もう会えないかと思ったら、しばらく泣けた、な……」
先生……。
「そのあと再婚して。子どもがいる…って風のうわさで知ったときは、その子が憎くって。父を殺して…その子もひとりぼっちにしてやる! なぁんて。本気で思った。―――ケッコウ過激でしょ」
「センセは……、そんなこと、しないよ」
先生は、やさしいもん。
「どうだかなぁ。はは……」
「…ないしょ、ですか」
「あたりまえよ。いい、相田は保健室にいたの。ねっ」
中井があんまり真剣なので、あたしもおつきあい。
「でも。あたしが、お腹痛かった…とか言っても、だれも信じてくれなかったりして」
「むむ。それはありうる」
中井ぃ!
「あはははは」
笑いながらいただく緑茶がおいしい。
「ばばくさいとか思ってんでしょ? ――わたしは母が働いていて、おばあちゃん子だったからね」
お父さん…は?
思ったことは顔に出たらしい。
「ん? ああ、父はね、わたしが小学校にあがった年に女つくって、あばよってやつよ。よくある話」
「…………」
「仕事仕事で、全然うちにいないひとだったけど、もう会えないかと思ったら、しばらく泣けた、な……」
先生……。
「そのあと再婚して。子どもがいる…って風のうわさで知ったときは、その子が憎くって。父を殺して…その子もひとりぼっちにしてやる! なぁんて。本気で思った。―――ケッコウ過激でしょ」
「センセは……、そんなこと、しないよ」
先生は、やさしいもん。
「どうだかなぁ。はは……」



