どんな言葉が出てくるのかと、あたしの意識は彼の口元に集中していた。


やがてそのキレイな唇が開かれる。




「一年間一緒に保健委員をしてて思ってたんだ。人が嫌がるような仕事も引き受けて、いつも一生懸命頑張ってて……。責任感と正義感の強い子だなって。おまけに、頼まれると嫌だと言えなくてさ。超がつくほどお人好し……ってね。オレのピンチはきっと救ってくれるって思ってた」


「ヤマジ君……」


あたしの涙腺はもうすっかりバカになってた。

涙が止まんないよ。


あたしだけじゃなかった。

一方通行じゃなかったんだね。


ヤマジ君もちゃんとあたしのこと見ててくれたんだ……。