あたしの唇にフッと息がかかった。



「なんてね」


ヤマジ君は目をパチンと開けてニヤリと笑った。


「こういうことする子じゃないでしょ?」


そう言って、パッとあたしから体を離す。



「ほんとはさ……期待してたんだ」


「へ? ……期待?」


ヤマジ君は「うん」と頷くとクスクス笑い出した。



「カーテンの隙間から覗いてたでしょ?」



「ええっ」


あたしは顔を真っ赤にする。


ヤマジ君、気づいてたんだ。

あたしが二人の様子をこっそり窺っていたこと。


「きっと助けてくれるだろうな……って思ってた」



「なんで? ……なんでそう思ったん?」



あたしはヤマジ君に尋ねた。


なんでだろう……。

すごくドキドキする。



理由はわからないけど……。


ヤマジ君がなぜそう思ったのか、あたしは聞いてみたくなったんだ。