なっ……

なんだとぉおおお?


何考えてんの?


ここ、どこだと思ってるのよ?

学校よ?

保健室よ?


さっき自分もヤマジ君にキスしようとしたことなんて、すっかり忘れてしまっていたあたしは、怒りのためにカーテンを持つ手がブルブルと小刻みに震えてきた。




「こういうのヤメてくんない?」


そこでようやくヤマジ君が口を開いた。


さっきとは明らかに口調が違う。

きっと怒ってるんだ。

あの穏やかな彼が、こんな感情を表に出すのはめずらしい。


だけど、そのことに姫子はまだ気づいていないようだ。


そのまま体重をヤマジ君に預けて、ぎゅっと抱きついた。


「なんでよー? ファンは大事にしなあかんやん? 今度のライブのチケットもあたし、50枚も裁いてんよ? お礼は体で払ってよ……みたいな。きゃはは」


何なの……そのめちゃくちゃな論理は。