もうちょっとで、その唇に触れる……

と思ったその瞬間。



――ガララッ

ドアが開かれる音が響いた。



きゃああああああ。


ごめんなさいっ。

もう、こんな悪いこと二度としませんっ。


焦ったあたしはパニックになっていて、とりあえず自分がさっきまでいたベッドのカーテンを引くと、そこに身を隠した。


誰かの足音がこちらに近づいてくる。

それはどうやら隣のヤマジ君のベッドのあたりで止まったようだ。


「あれ……シンイチやん?」