「あ……それと」


ヤマジ君が何かを思い出すかのように話を続けた。


「ごめん。勝手に眼鏡外させてもらった」


そう言って、先生の机を指差す。

そこにはあたしの鞄と一緒にコートと制服のブレザーと眼鏡が置かれていた。


「あ、うん。ありがと」


「それと……」


まだあるのかと顔を上げると……

ヤマジ君はなぜかあたしから目をそらせて恥ずかしそうにしていた。