「いや、オレは大丈夫。でも、元気そうだね。良かった」


ヤマジ君はベッドの端に腰掛けて、あたしに微笑んでくれた。

どうやらここは保健室のようだ。



「あたし、ひょっとして……倒れたん?」


「うん。校門前で突然鼻血だすし……」


ヤマジ君は懸命に笑うのをこらえようとしているようだが、その肩は微妙に震えていた。


うわーん!

桜田はる子、一生の不覚!

ヤマジ君の前で鼻血出すなんてー!

その時の記憶をヤマジ君の脳味噌からデリートしたい!