そう言うあたしにニッコリ微笑むヤマジ君。


――キュンッ……。


あれ、今の何?


今、あたしの胸“キュン”とかならなかった?

なっ……なっ……なっ……


なんなのよ!

これじゃ、まるでヤマジ君の笑顔にときめいてるみたいじゃない!


違うんだから!


あたしのヤマジ君に対する思いは、そこらへんの女の子みたいに“恋する乙女”のそれとは違うの!

そんな低俗なもんじゃないのよ!

なんていうかしら……もっと高尚なものなの。

ヤマジ君はあたしにとって、身近な存在であってはならないの!

触れてはいけない存在……アンタッチャブルな領域。

それがヤマジ君なのよ!


って、この複雑な心理、誰かわかってくれるだろうか。