「あ、そうだ、ヤマジ君」


あたしは舞い上がっている気持ちをできるだけ押さえて、平静を装って彼に声をかけた。


「ん?」


ヤマジ君は目をこすりながらふわぁあああと小さな欠伸をしている。


きゃああああ。

可愛い。

萌えです。萌え。



「昨日のデータ入力、全て完了しました!」


抑えようとしていても、ついついウキウキした口調になっちゃう。


「え? マジで? ごめん、結局全部やらせてしまって……」


「ううん。いいねん。チケットもらったしね」