パーソナルスペースっていうのかな。

――他人との距離。


サトシはそれが極端に狭い気がする。

誰に対してもこうやって肩を抱いたりするスキンシップは彼の悪いクセだ。


そんなだから女の子達が勘違いすんだよ……。

僕はそんなこと考えて、フッとため息をもらした。



「もぉ、ヤダ。コンピューター相手に勝手にやれば?」


僕はそう言って、ベッドにボスンと体を預けた。





「あー……腹減ったなぁ……なんかちゃんとしたもん食いたい」


天井を見上げながらポツンと呟く。


ここんとこ、ロクなもん食ってない。


懸賞でイタリア旅行を当てた両親が不在になって今日で5日目。

一人家に残された僕の夕飯はもっぱら近所のコンビニ弁当だ。

今日はサトシと二人でお菓子やパンを買い込んだ。

どうやら、それが夕食になりそうだ。