「じゃ、そろそろ帰ろうか」


ヤマジ君がみんなに声をかける。


「あ……オレ用事思い出したから、もうちょい残るわ」


工藤聡史は唐突にそんなことを言い出したかと思ったら、あたしの肩に手を回して、グイッと引き寄せた。


「一人じゃ大変やから、はる子ちゃんに手伝ってもらおうっと。いいよな?」


そう言ってあたしの顔を覗き込む。

なるほどね……。

ヤマジ君と井川加奈子を二人っきりにさせてあげたいってわけか。


「もう、しょうがないなぁ。つか、これやめてよ」


あたしはそう呟くと、また汚いものでも触るかのように工藤聡史の手を肩からどけた。


そんなあたしの様子に3人は声を出して笑ってた。