「はよーっス。姐さん今日は調子どうっスか?」

 リディと背中合わせでパンを切っていた背の高い彼、コードさんが私に訊ねた。
 コードさんは確か“航海士”と言っていたか。船長であるグリスノートの右腕のような存在で、リディにとってはもう一人の兄のような存在らしい。喋り方も雰囲気もとてもマイペースな人で他の船員たちに比べこうして会う機会も多く、私にとって今一番話しやすい人だ。



 なので、思い切って彼に頼んでみることにする。

「あの、コードさん」
「なんスか、姐さん」

 確か25歳だと言っていた彼が私を見て首を傾げた。

「その、『あねさん』って、そろそろやめてもらえませんか?」