彼らは私たちに気づくと笑顔で声を掛けてきた。
 
「あ、姐さん、おはようございまーす」
「カノンの姐さん、おはようございます!」
「あ、おはようございます……」

 苦笑しながら、私はどう見ても年上の彼らにぺこりと頭を下げる。そして、

「はぁ……」

彼らが行ってしまった後で大きな溜息を吐いた。

「なかなかしつこいな」

 セリーンも呆れた様子だ。

(本当に……慣れないなぁ)


「リディ、おはよう」

 ギャレーに入ると中はすでに食欲をそそるいい香りがしていて、そこにはリディともうひとり先客がいた。
 かまどで大きな鍋をかき混ぜていたリディが笑顔でこちらを振り返る。

「あ、カノン、セリーン、おはよう!」