My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】


「そうだったんだ。他のみんなは?」
「私の知る限りだが、クレドヴァロールの城では正式にユビルスの術士を迎え入れたそうだ」
「そ。だから俺はもうお役御免ってことで、こうしてストレッタに戻ってきたわけ。ドナちゃんを迎えにいくのもあと少しだって殿下張り切ってたぜ」

 それを聞いてこの世界の友達の驚いた顔が浮かんだ。

「そっかぁ。リディたちは?」
「ブルーはレーネの街と交易を始めたらしいぞ」
「え!?」
「レーネの街というより、鉱山の連中とだな。あのレーネの石で金儲けというわけだ。グリスノートはあの真相を知っているからな、大分あくどい取引を持ち掛けたんじゃないか? まぁ、自業自得だがな」
「そう、だったんだ……」

 思わず顔が引きつってしまった。
 と、そんな私を見てセリーンが首を傾げた。

「カノン、少し大人っぽくなったか?」
「え? あ、多分、今日はちょっとお化粧してるからだと思う」
「ほお? なんだ、今日は何か特別な日だったのか?」
「うん、響ちゃんと約束があって」

 セリーンの眉が顰められる。

「それは……確か例の昔の男ではなかったか?」
「だから、そういうんじゃなくて。彼の演奏会に誘われてね、一緒に」
「カノンちゃんカノンちゃん、ラグが怖いから今その話はやめた方が」
「え?」

 振り向くと、ラグの目が完全に据わっていて私は慌てて両手を振る。

「ち、違うよ!? というか、多分響ちゃんの曲のお蔭で私この世界にまた戻って来れたんだと思うんだ!」

『それは違うな』