「オレはもうお前を離す気はないし、帰す気もない」
「~~~!?」
(これ、本当にラグ……?)
私が声にならない悲鳴を上げていると、ふいに彼が私の左手を取った。
――え?
薬指に見覚えのある指輪が通される。
彼と同じ色の石がきらりと瞬いて。
「もう返すのは無しだからな。今度こそちゃんと受け取って欲しい」
驚く私に彼は言う。
「お前が好きだ、カノン」
その言葉に私は大きく目を見開く。
――ラグが私を、好き……?
やっぱりこれは夢なのだろうか?
でも、彼の言葉はまだ続いて。
「もう離れたくない。もう、お前がいないのは嫌なんだ。頼むから、もうオレから離れていかないでくれ……っ」
私の両手を強く握ったまま、懇願するように顔を伏せてしまった彼の声が震えていて。
私はゆっくりと口を開く。
「私、ここにいていいの? だって、私の居場所は」
「お前の居場所はここにあるだろうが!」
その怒るような口調と強い眼差しにどうしようもなく胸が熱くなって、私はその首に飛びついていた。



